2.6 演習¶
2.6.1 確認問題¶
1. 反復と再帰の時間・空間計算量¶
次の 2 つのコードは、どちらも \(1 + 2 + \dots + n\) を計算します(\(n \ge 1\) とします)。n を 4 として、
プログラムが実際に実行される順序に沿って次の問いに答え、2 つの書き方の効率を比較してください。
def sum_iter(n):
s = 0
for i in range(1, n + 1):
s += i
return s
def sum_recur(n):
if n == 1:
return 1
return n + sum_recur(n - 1)
sum_iter(4)を実行すると、各ループの終了時に変数sはそれぞれいくつになりますか?sum_recur(4)を実行すると、どの関数が順に呼び出されますか?最も深い呼び出しから戻るとき、結果はどのように求められますか?- 2 つの書き方の時間計算量と空間計算量は、それぞれいくつですか?問い 1、2 の実行過程と結び付けて理由を説明してください。
解答
-
ループ変数
iは1、2、3、4の順に変化し、各ループの終了時にsは1、3、6、10となります。したがって、sum_iter(4)は 10 を返します。 -
関数は
sum_recur(4) → sum_recur(3) → sum_recur(2) → sum_recur(1)の順に呼び出されます。sum_recur(1)が 1 を返した後、各呼び出しは順に2 + 1 = 3、3 + 3 = 6、4 + 6 = 10を得ます。 最も深い呼び出しに到達した時点では、4 回の関数呼び出しはどれもまだ終了していません。 -
どちらのコードも、\(n\) に比例する回数のループまたは呼び出しを行うため、時間計算量はともに \(O(n)\) です。 一方、空間計算量は異なります。反復版が使う変数は定数個だけなので \(O(1)\) です。 再帰版では、終了条件に到達するまで、それまでの関数呼び出しが結果を待つ必要があります。そのため、呼び出しスタックには最大で \(n\) 回分の呼び出しが同時に保存され、 空間計算量は \(O(n)\) です。
空間計算量を分析するときは、コード中の変数だけでなく、再帰呼び出しが使う空間も考える必要があります。
2. 3 つのコードの時間計算量¶
次の 3 つのコード片はいずれも、正の整数 \(n\) を入力とします。時間計算量が小さい順に並べ、それぞれの計算量を書いてください。
# コード片 1
s = 0
for i in range(n):
s += i
# コード片 2
s = 0
for i in range(n):
for j in range(i, n):
s += j
# コード片 3
while n > 1:
n = n // 2
解答
小さい順に、コード片 3 は \(O(\log n)\)、コード片 1 は \(O(n)\)、コード片 2 は \(O(n^2)\) です。 コード片 3 では、ループのたびに \(n\) が半分になるため、ループ回数は約 \(\log_2 n\) 回です。 コード片 1 のループはちょうど \(n\) 回実行されます。コード片 2 の内側のループ回数は順に \(n,n-1,\dots,1\) で、合計は \(n(n+1)/2\) となるため、二次の計算量です。
3. どちらの反転が空間を節約できるか¶
配列 nums のすべての要素を逆順にする方法として、次の 2 つがあります。
- 同じ長さの新しい配列
resを作り、逆順にコピーして返す。 -
2 つのインデックス
iとjをそれぞれ先頭と末尾から中央へ動かし、nums[i]とnums[j]を順に交換する。2 つの方法の空間計算量は、それぞれいくつですか?どちらが「インプレース」な操作ですか?
解答
-
入力と同じ長さの補助配列が必要なため、空間計算量は \(O(n)\) です。
-
使うのは 2 つのインデックス変数だけなので、 空間計算量は \(O(1)\) であり、インプレースな操作です。
ただし、インプレースな反転は入力配列を変更します。 入力の変更が許される場合にのみ優先して使うべきです。元の配列を残す必要がある場合は、方法 1 のコピーにかかる空間を省くことはできません。
2.6.2 プログラミング演習¶
1. フィボナッチ数¶
フィボナッチ数列は、\(F(0)=0\)、\(F(1)=1\) を満たし、\(n\ge2\) のとき \(F(n)=F(n-1)+F(n-2)\) となります。
0 以上の整数 n が与えられます。再帰を使わず、ループを使って \(F(n)\) を計算し、返してください。
解法のヒント
- まず、n が 0 と 1 の場合をそれぞれ処理します
- 次の項の計算に必要なのは直前の 2 項だけで、数列全体を保存する必要はありません
- 2 つの変数を更新するときは、後で使う古い値を先に上書きしないよう注意します